競走馬の骨折について思うこと。
先週のヴィクトリアマイルをレコードで勝ったノームコアが骨折してしまいました。
競走馬にとって骨折は、本当に命取りになります。
昔は、人間と同じで手術すれあ完治できるはずと思っていましたが、競走馬にとっては、そんな簡単なことでは無いようです。
よく言われているのが、サラブレッドは500キロもの体重をつま先立ちで支えているということ。
馬の蹄は、指先だということです。
人間のように足の裏全体で体を支えているのではなく、指先で支えているということです。なので、競走馬は、早く走れるのです。
そう考えると、足に負担がかかるのもわかります。
ましてや日本のターフは、海外に比べて固いと言われます。
特に先週の東京競馬場は、高速馬場となっており、かなり固く締まった芝になっていたようです。
そこであの激闘です。ノームコアが骨折するのも頷けます。
競走馬の故障で深く記憶に残っているのは、サイレンススズカの話ですね。
サイレンススズカは、逃げ馬として絶対のスピードを持っていました。
他馬を大きく引き離して逃げ切る走りに、本当に驚いたものです。いやーっ、強かったです。
事故は、忘れもしません。天皇賞・秋でした。
1番人気となったサイレンススズカの勝利は間違いなく、どのくらい後続馬を引き離してゴールするのかだけがレースの注目点でした。
ところが、3コーナーから4コーナーにかかるところでサイレンススズカは、大きく後退していきます。
故障が起こったことはすぐにわかりました。
TV観戦していましたが、競馬場だけでなく、全てが凍りついたようになったことを記憶しています。
今思い出すだけでも悲しい気持ちになりますね。
しかし、レースをする限りこの骨折を避けることは難しいと思います。
本当に悲しいことなのですが、スピードがあればあるだけ、その危険性が増すのは仕方ありません。調教師や騎手の腕が未熟で故障させてしまうのは、到底納得いきませんが、精一杯レースをしていた中で故障を発生してしまうのは、残念ですが仕方ないことだと思っています。
競馬もスポーツです。騎手も怪我をすれば、競走馬も怪我をするでしょう。
しかし、少しでもそんな悲劇を起こさないためにも馬場の整備や過酷な調教などを見直し、安全で楽しい競馬にしていかなくていけないのではないでしょうか。
ノームコアは、骨折しながらも走りきり、レースに勝つことができました。
あとは、ゆっくり治療に専念し、しっかり直した上で、再びレースに復帰してもらいたいと心から願っています。